運動

運動不足が原因で高血圧になっているケースが多くあります。また、運動不足から来る肥満が原因で血圧はさらに上がります。運動療法をすることで、3ヶ月間で収縮期血圧10〜20mmhgの降圧が期待でき、さらに長期的には減量することによって更なる降圧が期待できます。

それでは、運動療法の方法をご紹介いたします。一概に運動と言っても様々な運動があり、間違った運動をすると疲れるだけで効果がありません。正しい運動方法を知ることで効果的に体調を整え血圧を下げることができるようになります。ここでは、高血圧治療ガイドライン2004に記載されている運動療法を中心に、さらに詳しい解説を加えたものをご紹介いたします。

(1)運動の方法

まず、運動を始める前にストレッチを行いましょう。ストレッチをすることで、怪我を予防し運動の効果を高めます。次に行うのは早歩き、ランニング、水中歩行などの有酸素運動です。これらの運動が高血圧治療に適しています。最大酸素摂取量の50%くらいの軽い運動と定義されます。感覚的に言うと息切れしない程度の運動です。これを30分以上続けることで効果があります。初めの10分間は体にスイッチを入れる時間なので、ほとんど効果がありません。15分くらいたったところからじんわりと体が温まってきますので、ここからが効果がある時間になります。なお、腕立て伏せや腹筋のような筋力トレーニングやダッシュのような瞬発力を使う運動はあまり適していません。
もし、このトレーニングに慣れてさらに強いトレーニングをするのであれば、ストレッチ⇒15分の軽いランニング(最大心拍数の50%程度)⇒最大心拍数の60〜75%の運動をすることが効果的です。持久力もつくようになります。

(2)運動の頻度

運動はなるべく毎日、無理だとしても2日に1回は続けた方が効果があります。テレビを見る時間を1時間削ったり、通勤時に降りる駅をひとつ前の駅にしたり生活の中に取り入れることで続けることができるようになります。もし無理なのであれば、週に一度でもすることが何もしないよりはましです。

(3)期待できる降圧効果

1日30分以上10週間、上記のような運動を続けると半分以上の人で収縮期20拡張期10mmhg以上の強い降圧が得られることがわかっています。ここまで、頻繁に運動できなくても少し運動するだけである程度の降圧は期待できます。20下げることができれば降圧剤1〜2剤分に相当しますので、飲んでいる降圧剤の数を減らすことも期待できます。(医師に相談してください。)

(4)運動する時に注意すること

運動をする習慣は血圧を下げることにつながりますが、運動中だけを見ると血圧は上がってしまいます。そのため、すでに血圧が非常に高い人や、心筋梗塞、脳卒中、腎機能障害の既往のある人は、運動中の血圧上昇による心血管事故の可能性があります。該当する人は医師に相談してから、自分の体にあった運動をするようにしてください。

運動は面倒くさい、疲れる、つまらないというイメージの人は多くいると思います。それは、過去に退屈な運動や疲れすぎる運動を行ってきたため、それを連想してしまうからです。正しい運動をすることは大変気持ちのいいことです。また、最近はスニーカーなどの運動用具も進化しているので、足を痛めずに快適に歩けます。退屈なようでしたら、携帯ラジオやヘッドフォンステレオで、ラジオや音楽を楽しみながら歩くこともできます。毎日忙しい人も多いとは思いますが、家でテレビや新聞を見るより歩くことをお勧めします。昼休みに歩くこともできます。そんな時間もないと言う人もいるかもしれませんが、歩くことによって寿命が延びると言っても過言ではありませんので、結局は歩いた方が人生全体の時間は多くなります。